「男子運動部のマネージャーになりたい」
春から高校生になる娘の口から、唐突に飛び出したその言葉。それがきっかけで、私は休日に車を片道1時間以上走らせ、その男子運動部が出場する試合会場へ連れて行くことになった。
思春期の娘ということもあり、車内には会話がない。静かな空間で、私の頭にはさまざまな想いが巡っていた。
保育園から中学卒業まで、運動会では毎年リレーの選手に選ばれ、女子運動部ではキャプテンまで務め上げた娘。休日は高校生に混ざって汗を流していた、あのバリバリの体育会系の娘が、なぜ今さらマネージャーなのだ。
会場に到着すると、そこは「祭りか」と思うほどの大賑わいだった。群衆をかき分けて観覧席にたどり着くと、明らかに「おっかけ」と思われる、メイクも服装もバッチリ決めたキラキラ女子たちが目に入る。
そういえば前日、娘が「まつ毛パーマをしたい」とおねだりしてきたっけ。
父親の私は1500円カットで我慢しているというのに……。気合満点のメイクで、まるで「ベルサイユのばら」の登場人物のようになった娘の横顔を、そっとチラ見する。
『……華(花)より男子か』
世の中には死ぬ気で頑張ってもレギュラーになれない子だってたくさんいる。
内心はすんごい複雑だったが、私は動揺を微塵も見せず、毅然とした態度でこう告げた。
「自分の人生なんだから、好きなことをしなさい」
娘の選択を応援しよう。そう心に決めた数日後――。
PS:女子運動部の先輩方から連日にわたる猛烈な勧誘(拉致?)を受け、「断り切れなかった……」と力なく報告してきた娘。やっぱり君は、コートの中がよく似合う。
No.2 いつもの日常と、あと3年のカウントダウン
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日々の何気ない事を徒然なるままに綴ってます。